奈良時代の741年(天平13年)、常陸国国府(現在の石岡市国府周辺)に国分寺・国分尼寺等が建立された際、その屋根に葺く瓦類を製造した窯跡です。発掘調査の結果、窯の構造は粘土質の地山をくり抜いてつくられた「地下式有段登窯(ちかしきゆうだんのぼりがま)」と判明しました。
燃焼部と焼成部の区別が極めて明瞭で、焼成部は5段に造成されています。また、布目瓦と呼ばれる多くの古代の瓦類が確認されています。その瓦の中には蓮華紋や唐草紋が付いた軒先に葺かれる軒丸瓦・軒平瓦が含まれ、その文様の変遷から国分寺創建期の8世紀半ばから9世紀後期のものが見つかっています。いまのところ20余基の窯跡が確認されていて、県内でも最大級の瓦窯跡です。
1937年(昭和12年)県の史跡に、2017年(平成29年)国の史跡に指定されました。
住所 | 〒315-0112 石岡市部原604番地外 |