筑波山麓の茅葺き民家は、寄せ棟造りの直屋で平入りが基本形となっています。特別な敷地の制約などがなければ、南側に広間や座敷を向けて配置し、玄関とつながる土間が出入りのスペースとなっています。 茅葺き民家はこういった共通の形をもちながらも、長い時間をかけて地域特性にも溶け込みながら、特色ある景観を織り成しています。 この農山村文化を大切にしながら、筑波山麓の茅葺き民家を後世に伝えようと、「やさと茅葺き屋根保存会」が平成16年に結成されました。会員は茅葺き民家の家主、茅葺き職人のほか、茅葺き民家に関心を持つ多くの皆さんです。 ボランティアを募り毎年秋に行う茅刈りをはじめ、茅葺き民家の見学会や交流会、行政による若手職人の養成や調査などにも協力して活動を続けています。
筑波流の特徴
筑波流は、軒先と棟のおさめ方は技巧的で装飾的な特徴があると云われています。 葺き方としては、1番下が麦わら、その上にやや黒ずんだ古茅と明るい色の新茅を交互に重ねて5~7層に葺きます。 刈り込んで仕上げた軒の縞模様の美しさが大きな特徴です。棟の両端(きりとび)には、家の繁栄を願う「松竹梅」「寿」や、火災から家を守る「龍」「水」などの絵柄、縁起文字、厄よけ文字などを配しています。
茅葺き民家のご見学をされる方へ
石岡市内に散在する茅葺き民家のほとんどは、現在も居住する方々の生活の場で、観光目的の公開は原則として行っておりません。
見学や写真撮影などを希望される場合は、必ず居住する住民の方にごあいさつの上、了解を得てください。 留守宅への立入や、敷地内での飲食や喫煙は、ご遠慮願います。また、「やさと茅葺き屋根保存会」は毎年1~2回、茅葺き民家の見学会を開催し、ガイド同行でご案内をしております。
具体的な実施予定は下記の「やさと茅葺き屋根保存会」のWebサイト、および当協会のホームページなどでお知らせいたします。 茅葺き屋根の民家について、さらに詳しくお知りになりたい方は、下記のリンク先をご利用下さい。